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西暦20XX年―― ニホンは犯罪国家と化していた。

全国各地には窃盗 詐欺 虐待 放火 強姦 誘拐 殺人など

ありとあらゆる罪を犯した者で溢れ返っていた。
制止を呼びかける警察の声も空しく、

感情や勢いに任せて犯罪に手を染める国民は後を絶たない。
司法での処理が追いつかず荒い裁きが引き金となり、

ついには濡れ衣を着せられる者まで続出してしまう。



愚かな罪人たちに手を差し伸べる人物がいた。

彼はイタリア在住のとある大富豪 通称“ディーラー”。
ディーラーはニホンの政府にこんな交渉を仕掛けた。

「退廃してしまったニホンのために私の資産を提供しよう。

ただし、それには条件がある。
全国の刑務所に収容されている犯罪者の一部をお借りしたい。

ここにその52人のリストを作った。
彼らの身柄さえこちらに引き渡していただければ

この国の復興も夢ではなくなるだろう」

裁きや始末の手間が省けるうえ

国にとって革命的な利益を得られると知ったニホンの政府は、

彼らを集め即ディーラーに投げ売った。
もちろんその事実を公にしないまま……。
不運な犯罪者たちは、

ディーラーが所有する イタリアのとある廃墟へと強制的に連行される。


ディーラーは52人全員にスペード ハート ダイヤ クラブのうち

いずれかのスートが埋められたバングルをランダムで配布した。
「君たちにはあるゲームに参加してもらおう」と ディーラーは言った。

「自分と違うスートを持つ人間と殺し合ってくれ」
「逆に自分と同じスートの人間とは仲間になれる」
「ただし仲間になった者を騙して裏切り 殺すことも出来るとしよう」

選ばれた52人は廃墟へと放された。

以降彼らは、様々な葛藤を重ねることとなる。
なぜなら最後にディーラーは、

すべての参加者にこう約束したのである。



「最後に生き残った者の願い事を一つだけ、なんでも叶えてあげよう」
 

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